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寄生虫は基本的に、種ごとに寄生する宿主は決まっており、最終宿主に寄生して成虫となる。

では、本来寄生すべき宿主に寄生できず、宿主を間違えてしまうとどうなるか・・・

今回は、世界的に感染報告が少なく、致死率100%の謎の寄生虫、芽殖孤虫(がしょくこちゅう)の紹介となります。


芽殖孤虫

芽殖孤虫(がしょくこちゅう、英:Sparganum proliferum)は、ヒトに寄生する人体寄生虫の1種。条虫綱擬葉目裂頭条虫科に属する扁形動物。成虫は同定されていないため、孤虫の名が付けられている。ヒトの体内に入ると、確実に全身に転移し宿主を死に至らしめるという、非常に危険な性質を持つ。
芽殖孤虫 - Wikipedia
感染報告が非常に少なく研究がほとんどされていない為、成虫は特定できていないのが現状です。孤虫という名前の由来はどうやらそこからきているようです。

芽殖孤虫の特徴

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移動性の腫瘤を形成し患者から摘出された虫体は数〜10数mmで不定形である。かつてはマンソン裂頭条虫にある種のウイルスが感染したものという報告がなされたが、遺伝子解析の結果、マンソン裂頭条虫に近縁ではあるが異なるものであることがわかっている。
発症者には両生類、爬虫類の喫食経験者が多い事から両生類、爬虫類が原因となっている可能性を示唆している。
芽殖孤虫 - Wikipedia

日本での感染例がもっとも多い

世界的に感染報告が少なく、明確なことはわかっていないが、日本での感染報告例が多い。2000年の時点で14例の症例が報告されている。そのいずれもが死亡例であり、内訳は日本が6例、台湾3例、アメリカ2例、カナダ、パラグアイ、ベネズエラが各1例である。
芽殖孤虫 - Wikipedia
両生類や爬虫類を食べる習慣がもっとも低いであろう日本での感染例が多いという・・・。

感染報告は非常に少ないですが、感染例のすべてが死亡例であるという危険度は最悪ということですね。


芽殖孤虫に感染してしまうと


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間違って人間の身体に入ってしまった寄生虫はどうするか…………。

ここから人間を死に至らしめる原因となる、寄生虫の迷走が始まります。
人間の身体に入る予定ではなかった寄生虫(幼虫)は、「あれ?ここはどこ?落ち着ける場所がないんだけど!!」と、人間の体内を彷徨い始めます。
これが人間にとっては大迷惑。関係者以外立ち入り禁止もなんのその、どこへでも侵入するのです。 脳や心臓にまで入ってこられたら死んでしまいます。
人間は生き延びるためには、この迷走幼虫を外科的手術で取り除くしかないのです。

しかし…致死率100%の、「芽殖孤虫」さんの場合、この外科的手術が通用しません。
彼は無性生殖の術も身に着けている上に、人間の体の中を迷走するという奴なんです。
迷走してる最中にどんどん増えます。
全てを取り除くことは不可能。
宿主を間違えた寄生虫の幼虫でも、幼虫のまま分裂しないやつなら外科手術でなんとかなるんですが、どんどん増えてしまってそこらじゅうにコピーのいる幼虫は物理的に全ては取り除けないんですね…。
よって、この虫に寄生されたが最後、体中を迷走されて、人間は100%死んでしまうというわけなんです。
ああ…いやだ。
芽殖孤虫(がしょくこちゅう):未だに正体不明 - Studio POPPO
幼虫のまま分裂してしまうので、感染が判明した時にはすでに無数の芽殖孤虫が体中をさまよっているということになり、その時点で完全に除去するのは不可能になってしまいます。


【閲覧注意】「寄生虫」ヒトに寄生した幼虫移行症がヤバすぎる

 
出典:https://www.youtube.com/watch?v=FdLM2WcRNVE 

感染例は非常に少ないですが、日本がもっとも多い6例となり地域も限定的でない為、いつ、どこで、誰が感染してもおかしくないということになります。

現状では、安全なものを安全な状態で食べる、それしか予防はないようですね。

絶対に寄生されたくない危険度最悪の芽殖孤虫でした。